ドローンをビジネスや趣味で本格的に活用する際、避けて通れないのが「国土交通省へのドローン飛行許可申請(特定飛行の申請)」です。
いざ申請を行おうとしたとき、「一体いくら費用がかかるのか?」「自分でやれば無料なのか、行政書士に頼むべきか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、ドローン飛行許可申請に関する費用の情報を網羅的に解説いたします。
- ドローン飛行許可申請そのものにかかる費用
- 行政書士への代行費用相場
- 機体登録や国家資格
- ドローンを合法かつ安全に飛ばすために必要な周辺コスト
国土交通省へのドローン飛行許可申請の手数料
結論から言うと、国土交通省に対して支払うドローンの飛行許可申請の手数料自体は「無料」です。
しかし申請方法によって、数百円程度の実費が発生する場合があります。
DIPS2.0(オンライン)からの申請なら費用は0円
国土交通省が提供しているドローン情報基盤システム「DIPS 2.0」を利用してオンライン申請を行う場合、システム利用料や申請手数料は完全無料(0円)です。
政府の電子化推進の背景もあり、行政への金銭的な支払いは一切発生しません。パソコンやスマートフォンとインターネット環境さえあれば、コストをかけずに手続きを完了させることが可能です。
郵送申請の場合は「実費(切手・封筒代など)」が発生する
紙媒体で申請書を作成し、管轄の航空局等へ郵送で申請する場合でも行政手数料は無料です。
しかし物理的なやり取りが発生するため、以下の実費は申請者の自己負担となります。
- 印刷代・コピー代:数十ページに及ぶマニュアルや図面などの印刷費
- 封筒代・郵送費:安全に送付するための簡易書留などの往復送料
- 返信用封筒と切手:許可書を返送してもらうための費用
これらを合計すると、実質的に数百円〜1,000円程度の手出しが発生します。また郵送にかかる時間(タイムロス)も、考慮する必要があります。
行政書士にドローン飛行許可申請の「代行」を依頼する費用相場
ドローンの飛行許可申請は、専門的な法律知識や安全マニュアルの作成が求められます。そのため、手続きのプロである行政書士に代行を依頼するケースも非常に多くなっています。
包括申請の費用相場と内訳
「日本全国」かつ「最長1年間」、反復して飛行できる許可を取得する「包括申請」の代行費用相場は、おおよそ22,000円〜33,000円(税込)です。
多くの行政書士事務所では、この基本料金内に以下のサービスが含まれています。
- 飛行許可申請への機体数台(1〜3台程度)までの登録 ※1
- 飛行許可申請への操縦者数名(1〜3名程度)までの登録
- 航空局の標準マニュアル、または制限を緩和した「独自マニュアル」の作成・提供
- 基本的な特定飛行(DID・夜間・目視外・30m未満など)の網羅
※1 国への「機体登録制度」の手数料は別途必要
機体や操縦者の追加、官公庁への事前確認などが必要な場合は、別途オプション料金(数千円〜)がかかるのが一般的です。
個別申請(高難易度)の費用相場
日時や場所を特定して行う「個別申請」は、飛行内容によって難易度が大きく変わるため、費用も変動します。最低料金は25,000円〜35,000円程度から設定されていることが多いです。
しかしリスクの高い高難易度な飛行申請になると、費用は跳ね上がります。
- イベント上空、高度150m以上、空港周辺、25kg以上の大型機:おおよそ55,000円程度から
- レベル3.5(無人地帯での補助者なし目視外飛行)など:おおよそ120,000円程度から
個別申請は関係各所(警察や土地所有者など)との調整が必要になることも多く、プロに任せるメリットが非常に大きい領域です。
飛行許可申請の「前」に必ず発生する費用
飛行許可申請が不要な条件(特定飛行に該当しない)でドローンを飛ばす場合でも、航空法を遵守するために必ず発生する事前コストがあります。
ドローンの機体登録費用(900円〜2,400円)
総重量100g以上のドローンを屋外で飛ばす場合、国土交通省への「機体登録」が完全義務化されています。
未登録で飛行させると1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という重い罰則があります。
登録には手数料がかかり、申請方法と本人確認の方法で金額が変わります(有効期間は3年)。
| 本人確認と申請方法 | 1機目の手数料 | 2機目以降(同時申請) |
| オンライン(マイナンバーカード等) | 900円(最安) | 890円 |
| オンライン(運転免許証などその他書類) | 1,450円 | 1,050円 |
| 書面(紙)による郵送申請 | 2,400円 | 2,000円 |
もっとも安いのは、マイナンバーカード(法人はgBizID)を使用してオンラインで完結させる方法です。
リモートID機器の購入費用(※未搭載機のみ)
機体の登録情報を電波で発信する「リモートID」の搭載も義務付けられています。
DJI製品などの近年発売された主要ドローンには「リモートID機能」が内蔵されているため、追加費用はかかりません。
しかしリモートIDが内蔵されていない旧機種や、自作機を飛ばす場合は、外付けのリモートID機器を購入して取り付ける必要があります。
市場価格は10,000~15,000円程度が相場です。
ドローンの安全運用にかかるその他の関連費用
直接的な許可申請だけでなく、運用を続ける上でのランニングコスト(資格・保険)も予算に組み込んでおく必要があります。
ドローンの国家資格(無人航空機操縦士)の取得・発行費用
2022年12月より開始されたドローンの国家資格制度。資格取得にかかる費用は「国や試験機関へ払う手数料」と「ドローンスクールへの受講料」に分かれます。
法定手数料等の実費
- 学科試験:一等 9,900円 / 二等 8,800円
- 身体検査:5,200円(書類受検)〜 19,900円(会場受検)
- 技能証明書発行:3,000円(新規)※2
※2 一等の場合は別途「登録免許税 3,000円」が必要
ドローンスクールの受講費用相場(実地試験免除のため)
- 二等(経験者):約10万円〜20万円
- 一等(初学者):約50万円〜100万円以上
ドローン保険(賠償責任保険など)の加入費用
ドローン運用、特にビジネスにおいて保険未加入での飛行はリスクが大きすぎます。
賠償責任保険(第三者への損害)
DJIの無償付帯保険(初年度無料)や、「SORAPASS care」のような年額5,000円程度で手軽に加入できるものから、業務用の手厚い補償(数万円〜)まで様々です。
機体保険(自身のドローンの破損)
機体価格の7%〜14%程度が年間保険料の目安となります。(※プランや用途により変動します)。
【比較】自力申請と代行依頼、どちらがおすすめ?コストと手間を比較
最後に、ドローンの飛行許可申請を「自分でDIPS2.0から行う(0円)」か、「行政書士に依頼する(約2万〜3万円)」か、どちらを選ぶべきか比較します。
- 自力申請がおすすめな人
- とにかくコストを0円に抑えたい
- 時間に余裕があり、航空法や審査要領を自分で読み解く労力を惜しまない
- 趣味の範囲で、複雑な飛行(イベント上空など)を行わない
- 行政書士への代行依頼がおすすめな人
- ビジネス(業務)でドローンを使用する方
- ドローンに関する法律を調べる時間や、DIPSの操作にかける時間を省きたい
- 確実に、最短で許可を下ろしたい(再提出のループを避けたい)
- 使い勝手の良い「独自マニュアル」が欲しい
特に業務利用の場合、単に許可を取るだけでなく「現場でどうすれば合法に飛ばせるか」という運用面のアドバイスはもちろん。
飛行制限を緩和した独自飛行マニュアルを提供してくれる行政書士の価値は、2.2〜3.3万円(税込)という費用以上のメリットがあります。
更新時期の管理を任せられる点も、ビジネス層から支持される理由です。ご自身のドローン活用の目的や、かけられる時間と予算に合わせて、最適な方法を選択してください。
※ 独自マニュアルに関しては「ドローン包括申請における「独自マニュアル」の必要性と書き方【行政書士が解説】」で取り上げています。
まとめ|目的に合わせて「自力」か「代行」か選ぼう

ドローン運用に関わる費用について、押さえておくべきポイントは以下の3つです。
- 許可申請自体は無料:オンライン申請なら、許可を取るための国への手数料はかかりません。
- 手間を省くなら行政書士へ:ビジネス利用などで確実に許可を取りたい場合や、手続きの時間を節約したい場合は、2.2〜3.3万円(税込/包括申請)で行政書士に依頼するのがスムーズです。
- 機体登録や保険にも費用がかかる:機体登録(900円〜)やドローン保険など、安全・合法に飛ばすための維持費も考慮しておきましょう。
趣味で費用を極力抑えたいなら「自力で無料申請」、ビジネスなら「代行でスムーズに申請」など、ご自身の目的と予算に合わせて最適な方法を選んでください。
最後までご覧いただきありがとうございました。ドローン専門行政書士の宮崎がお伝えしました。