こんにちは、ドローン専門行政書士の宮崎です。
「広大なゴルフ場で、ドローンを使って美しいコース風景を撮影したい」
「コンペの様子を上空からダイナミックに記録に残したい」
このように考えているものの、どんな許可が必要なのかわからず悩んでいませんか。
実際にドローンをゴルフ場で飛ばすためには、複数の法律が絡むため正しい手順を踏む必要があります。
本記事を読めば、ゴルフ場での撮影に必要な許可の全体像や具体的な申請手順がよくわかります。
法的リスクを避け、安心して空撮映像を撮影するための準備が整うはずです。ぜひご参考にしてください。
ドローンをゴルフ場で飛ばすには許可が必要ですか?
ゴルフ場などの私有地でドローン空撮を行う場合、無断で飛行させることはできません。必ず許可を取得する必要があります。
必要な2つの許可(民法と航空法)

ゴルフ場でのドローン撮影では、大きく分けて2つの許可が必要です。 それは施設管理者への許可と、国土交通省への許可です。 空のルールだけでなく、地上のルールも守る必要があります。
■施設管理者への許可(民法)
土地の所有者や管理者から得る承諾です。
■国土交通省への許可(航空法)
特定の条件下で飛行させる際に必要な国からの許可です。
宮崎のひと言アドバイス
「自分の土地なら自由に飛ばせる」と勘違いされる方が多いです。
しかし私有地であっても航空法のルールが適用され、条件(特定飛行)によっては国への申請が必要になります。
申請が必要となる具体的なケースについては、後ほど解説いたします。
1. ゴルフ場(施設管理者)への撮影許可・確認事項

ゴルフ場は不特定多数の利用者が訪れる私有地です。 そのため、航空法の前にまずは施設管理者からの許可を得る必要があります。
土地所有者の承諾(民法第207条)
民法第207条では、土地の所有権は、「法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と規定されています。
そのため、他人の敷地の上空を無断で低空飛行させるような行為は、土地所有権の侵害(越境行為)とみなされる可能性があります。
ゴルフ場の管理者に飛行目的や日時を明確に伝え、必ず承諾を得てください。
撮影時の確認事項(営業時間や第三者の映り込み)
許可を得る際は、以下の点に注意して調整を行いましょう。 プライバシー権の侵害や思わぬトラブルを防ぐために重要です。
■飛行する時間帯
利用客の少ない早朝や休業日など、安全を確保できる時間帯を選びます。
■第三者の映り込み対策
人の顔が判別できる映像はモザイク処理をするなどの対策が必要です。
■ゴルフ場独自のルール
施設ごとにドローンに関する規定が異なるため、詳細を確認します。
宮崎のひと言アドバイス
口頭だけの約束は後から「言った、言わない」のトラブルになりがちです。可能であれば、メールや書面で同意を得た記録を残しておくのを強くおすすめします。
2. 国土交通省(航空法)の許可・承認が必要なケース
機体重量が100g以上のドローンを屋外で飛ばす場合、航空法が適用されます。 ゴルフ場での撮影時、航空法の特定飛行に該当すると事前申請が必要です。

人口集中地区(DID地区)に該当する場合
国勢調査の結果に基づき、人口が密集している地域はDID地区に指定されています。
都市部周辺のゴルフ場など、DID地区に該当する場合は国土交通省への許可申請が必要です。
私有地であっても、DID地区内の空域であれば許可をとる必要があります。
人や物件から30m未満の距離で飛行させる場合
無関係な第三者や第三者の物件(他人の建物、車両、工作物など)から30m以上の距離を保てない状況での飛行は承認が必要です。
ゴルフ場では、一般のプレーヤーやキャディ、クラブハウスや駐車場・カートなどに接近する可能性が高いです。よって、実務上ほとんどのケースで申請が必要になります。
目視外飛行を行う場合
操縦者が肉眼でドローンの機体や周囲の状況を常時監視できない飛行方法です。
モニターの映像を見ながら操縦する場合は目視外飛行に該当します。
広大なゴルフ場ではドローンが遠くへ行きがちなので、申請しておくことをおすすめします。
宮崎のひと言アドバイス
ゴルフコンペなどのイベント時に飛ばす場合は、さらに注意が必要です。
不特定多数の参加者が集まるイベントは「催し場所上空での飛行」に該当する可能性が高いです。
この場合は包括申請が使えず、日時と場所を特定した「個別申請」が必要になるので気をつけましょう。
※ イベント時の飛行に関する詳細は、「ドローンをイベント上空で飛ばす許可申請まとめ|定義から安全対策まで」で取り上げています。
3. ドローンの許可がいらない場所は?ゴルフ場で許可なしで飛ばせるケース

厳しい規制がある一方で、条件を満たせば許可なく飛ばせるケースも存在します。
機体重量が100g未満(トイドローン)の場合
機体重量とバッテリーの合計が100g未満のドローンは、航空法の無人航空機から除外されます。 そのため、機体登録や特定飛行の許可申請は原則不要です。
ただし、国の重要施設周辺を飛べない小型無人機等飛行禁止法などは適用されるため注意してください。
航空法の「特定飛行」に該当しない環境
100g以上の機体でも、特定の環境下では航空法の許可や承認が不要となります。具体的には以下のようなケースです。
■完全な屋内
四方と上部がネットで囲まれたゴルフ練習場の中などは屋内とみなされます。
※ 屋内飛行の詳細は、「ドローン練習に最適!「屋内」の許可不要条件と、必須の”もう1つの許可”」で取り上げています。
■特定飛行に当てはまらない日中の飛行
人口集中地区(DID地区)外で、無関係な第三者や第三者の物件から30m以上離れ、目視内で日中に飛ばす場合です。(※高度150m以上やイベント上空、危険物輸送などを行わないことが前提。)
宮崎のひと言アドバイス
「100g未満だからどこでも自由に飛ばせる」は明らかな勘違いです。
民法による土地所有権の侵害やプライバシー問題は、機体の重さに関係なく発生します。
事前の施設管理者への許可取りは、絶対に省略しないでください。
4. ドローン撮影の許可申請手順とスケジュールの目安

国土交通省への許可申請は、オンラインシステムのDIPS2.0を利用するのが一般的です。 申請から許可取得までの流れとスケジュールの目安を表にまとめました。
| ステップ | 手続きの内容 | 期間の目安 |
| 事前準備 | 操縦者の10時間の飛行経験確保や機体登録を行います | 飛行予定日の1ヶ月前〜 |
| 申請書作成 | DIPS2.0で飛行経路や安全対策などの必要事項を入力します | 飛行開始予定日の10開庁日前まで |
| 審査・修正 | 国土交通省による審査が行われ、必要に応じて内容を修正します | 申請後、約1〜4週間程度 |
| 許可証発行 | 審査を通過すると電子的な許可書が発行され飛行可能になります | 審査完了後すぐ |
※ここに「DIPS2.0を使った許可申請の流れ」の図解画像を挿入
宮崎のひと言アドバイス
申請には「少なくとも10開庁日前までに提出」というルールがあります。 しかし申請内容に不備があり修正を求められることも多いため、3〜4週間の余裕を持って申請するのが安心です。
よくある質問(FAQ)

Q: ドローンで上空撮影は違法?
適切な許可を得て法令を遵守していれば違法ではありません。 しかし、航空法などの国の法律だけでなく、民法や地方自治体の条例などにも違反しないよう注意が必要です。
Q: ゴルフ場の利用客として、個人的にドローンを飛ばし撮影してもいい?
無断で飛ばすことはできません。 利用客であっても、ゴルフ場の施設管理者に事前に相談して許可を得る必要があります。 他の利用者の安全やプライバシーに配慮しなければなりません。
Q: 国家資格を持っていれば、申請なしで飛ばせる?
国家資格を保有し、機体認証を受けた機体を使用していれば、航空法における一部の飛行許可申請が免除されます。
しかし私有地上空を飛ぶための土地所有者の許可や、撮影そのものに対する許可は別途必要です
宮崎のひと言アドバイス
国家資格は非常に便利ですが、「どんな場所でも無許可で飛行できるわけ」ではありません。
あくまで国への申請手続きが一部不要になる仕組みであり、施設管理者と円滑に協議を進めるためのアピール材料だと考えてください。
まとめ

ゴルフ場でのドローン撮影には、民法に基づく施設管理者の許可と、航空法に基づく国土交通省の許可の2つをクリアすることが必要です。
まずはゴルフ場側に企画を詳細に伝え、撮影の承諾を得ることから始めてください。
そして航空法のルールに沿って、余裕を持ったスケジュールでDIPS2.0から申請を行いましょう。 しっかりとした準備をして、素晴らしい空撮映像を撮影してくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。ドローン専門行政書士の宮崎がお伝えしました。