「ドローンを屋内で飛ばしたいけれど、許可は必要なの?」
「体育館や倉庫なら、航空法は関係ないって本当?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
ドローン専門行政書士の宮崎です。

結論から言うと、四方と天井が囲われた「完全な屋内」であれば、航空法の許可は不要です 。
しかし「航空法が不要=何をしても自由」、と勘違いして飛ばしてしまうと、電波法違反や民法上のトラブル、施設管理者からの損害賠償請求などに発展する恐れがあります 。
ここでは屋内の定義から、航空法以外の見落としがちな法律、2026年の最新法改正まで徹底解説します。
最後まで読めば、合法かつ安全に屋内でドローンを楽しむための知識が身につきます。
結論:屋内でドローンを飛行させる場合、航空法の許可は「不要」
日本の航空法における無人航空機の規制は、航空機との衝突リスクや地上の第三者への危険を防ぐことを目的としています。
そのため外部空間と、完全に遮断された屋内空間(建物内)での飛行には、航空法上の飛行禁止空域や許可・承認のルールは適用されません
100g以上の機体でも「屋内」なら航空法適用外

通常、機体重量が100g以上のドローンを屋外で飛ばす場合、次の特定飛行に該当すると、事前の許可や承認が必要です 。
- 人口集中地区(DID)飛行
- 夜間飛行
- 人または物件から30m未満の距離での飛行
- 目視外飛行…など
しかし屋内であれば、これらの航空法の規制は適用されないため、100g以上の機体であっても許可・承認は不要となります 。
具体的には以下のようなケースでも、屋内であれば許可・承認は不要です。
- 人口集中地区内にある建物の中で飛行する
- 空港周辺内にある建物のなかで飛行する
- 緊急用務空域内に指定された建物内で飛行させる
- 屋内施設でのコンサートや大会を撮影する
宮崎のひと言アドバイス
「許可不要だから機体登録もいらないよね?」と思うかもしれません。
結論から言うと、100g未満のトイドローンや、100g以上であっても屋内専用として運用する機体は、制度上、機体登録の対象外(登録不要)です
しかし100g以上の機体で、「将来的に屋外でも飛ばす可能性がある」なら、事前の機体登録とリモートIDの対応は、済ませておくのが無難です。
どこからが「屋内」? 国土交通省ガイドラインによる定義
では具体的にどのような場所が、「屋内」と定義されるのでしょうか。航空法上の「屋内」の基準を理解しておくことが重要です。

完全に密閉された空間
一般的な屋内の具体例としては、次の場所が挙げられます。
- 家
- アパート
- 体育館
- ビル内
- 倉庫…など
これらは天井と壁で囲まれているため、問題なく屋内と判定されます。
さらにトンネル内部や地下道内部も、内部と外部が明確に区別された空間として屋内とみなされます 。そのため、トンネルの点検などで目視外飛行になったとしても、航空法の許可承認は不要です 。
現在の航空局の解釈通達でも、窓や扉が開いている状態でも、内部と外部が明確に区別されていれば、「窓や扉の開いた建物」は屋内(航空法適用外)とみなされます。
四方と天井がネットで囲われた空間
建物でなくても、四方と上部がネットなどで囲われている場所(テント、ゴルフの練習場など)も「屋内」として扱われます 。
ドローンが物理的に外部の空域へ飛び出せない状態であれば、屋外の空域と切り離されていると評価されるためです。
【要注意】「屋外」と判定され、違反になるケース
一方で、一見すると屋内のように思えても、航空法が適用されるケースがあります。
例えば、大型ドーム施設の屋根を開放している場合、上空の空域と連続しているため、屋外飛行と評価される余地があります 。
機体が外部に飛び出す可能性がある構造の場合は、実質的に屋外飛行とみなされる可能性があるため、慎重を期して許可申請を行うのが安全です 。
宮崎のひと言アドバイス
「窓が開いていても屋内」というルールはあります。しかし突風や操縦ミスで窓から外へ飛び出してしまったら、その瞬間から「屋外での無許可飛行」となり航空法違反に問われます。
実務上は、窓や扉を完全に閉め切るか、開口部にネットを張るなどの物理的な逸脱防止措置を強く推奨しています。
航空法はOKでも要注意! 体育館でのドローン飛行が「禁止」される理由

屋内飛行でもっとも多い勘違いが「航空法が適用されない=どこでも自由に飛ばせる」というものです 。航空法以外にも遵守すべき法律やルールが存在します。
施設管理者・土地所有者の同意(民法上の許可)が最優先
屋内で飛ばす際、最優先すべきは「施設管理者の許可」と「民法上の所有権」です 。
民法第207条では、土地の所有権はその土地の上下(上空・地下)に及ぶと規定されています 。
したがって、他人が所有する施設や土地の上空にて、無断でドローンを飛ばすと、所有権の侵害となります 。
例えば、市の体育館など公共の施設でも、利用規約でドローンの飛行を禁止している場所は多くあります 。
愛知県あま市や京都府京都市などのように、条例で体育館での飛行を原則禁止にしている自治体も存在します 。
無断で飛行すると、退去要請や損害賠償請求に発展するリスクがあるため、事前に必ず管理者に確認と交渉を行いましょう。
FPVドローンなどにおける「電波法」の許可
電波法は、屋内であっても関係なく適用されます 。
ドローンや送信機には「技適マーク」が付いている必要があります。
技適のない機体を日本国内で使用すると、たとえ屋内であっても電波法違反となります 。とくにAmazonなどで購入する、海外の安価なトイドローンやFPV機には注意が必要です。
またFPV(ゴーグル映像による飛行)で使用される、5.8GHz帯の電波を発する機器(VTX)を使用する場合、第四級アマチュア無線技士以上の資格や、無線局の開局手続きが必要です 。
これに違反した場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という重い罰則が科されます 。
宮崎のひと言アドバイス
「屋内で誰も見ていないからバレない」と、技適マークのない格安ドローンを飛ばす方がいますが、電波は壁をすり抜けて外部に漏れます 。
100万円以下の罰金はドローン関連の罰則でも非常に重いので、電波法の遵守は徹底してください 。
【参考】屋内以外で「許可不要」で飛ばせる場所はある?

「屋内の手配が難しい…屋外で手軽に飛ばせる方法はないの?」という方に向けて、合法的に許可不要で飛ばせる選択肢を解説します。
※ 利用にあたっては施設管理者の許可が別途必要です
ネットなどで囲まれたドローン専用練習場
屋外であっても、四方と上部(天井)がネットなどで囲まれており、ドローンが物理的に外部の空域へ飛び出せない場所は、航空法上「屋内」として扱われます
このような練習場(コート)などであれば、100g以上の機体であっても航空法に基づく許可・承認なしで飛行できます。
100g未満の「トイドローン」なら屋外の規制が緩い
機体とバッテリーの合計重量が100g未満のドローンは、航空法上「模型航空機」として扱われます 。
そのため、100g以上の機体で求められる国への機体登録(DIPS)やリモートIDの搭載が不要です 。
さらに、以下の「特定飛行」も許可・承認なしで行えます。
- 人口集中地区(DID)の上空での飛行
- 夜間飛行や目視外飛行
- 人または物件から30m未満の距離での飛行
ただし空港などの周辺や、高度150m以上(一部250m以上)の空域では国への事前届出が必要です 。
また後述する、「小型無人機等飛行禁止法」の対象にはなるため、どこでも飛ばせるわけではありません 。
宮崎のひと言アドバイス
「100g未満だから近くの公園で飛ばそう」と考えるのは危険です。
東京都や千葉県などの都市公園をはじめ、多くの公園では条例や管理者権限により、100g未満のドローンであっても持ち込みや飛行が原則禁止されています。
必ず事前に飛ばしたい場所を管轄する自治体のルールや、管理者に確認してください。
ドローン法規制のアップデートと屋内飛行時の注意点
2026年7月14日に施行された改正「小型無人機等飛行禁止法」により、ドローンを取り巻くルールは劇的に厳しくなりました 。
この法律は、100g未満のトイドローンであっても例外なく適用されます 。
主な改正ポイントは以下の2点です。

飛行禁止エリアの拡大
国会議事堂、外国公館、原子力発電所などの重要施設周辺の飛行禁止エリア(イエローゾーン)が、従来の「おおむね300m」から「おおむね1,000m(1km)」へと大幅に拡大されました 。
直罰化の導入
従来は警察官等の退去命令に従わなかった場合に罰則が適用されていました。
改正後は警告なしで即座に罰則(6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が科される「直罰化」が導入されました 。
この規制が対象としているのは、あくまで屋外の空域です。
しかし前述のように、「体育館の窓から機体が外に出てしまった」などの理由で、重要施設の1km圏内(屋外)へ機体が逸脱すれば、その瞬間に即座に罰則(摘発)の対象となるリスクが生じます。
まとめ

屋内でドローンを飛ばす際の許可や規制について解説しました。絶対に押さえておくべきポイントは以下の5つです。
- 航空法の許可・承認は対象外
- 「屋外」と判定されるケースに注意
- 施設管理者の同意(民法)が最優先
- 電波法は屋内でも適用される
- 重要施設周辺での「屋外への逸脱」は即罰金
屋内は、天候に左右されずドローンの練習や空撮を行うのに最適な環境です。しかし法律の全体像を知らずに飛ばすと、思わぬトラブルに巻き込まれます。
適用される法律の違いをしっかりと理解し、安全なドローン運用を心がけてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。ドローン専門行政書士の宮崎がお伝えしました。